
「ケイくん」
キタサンブラックって、なんでこんなに人気があるの?

実はキタサンブラックは、デビュー当初から圧倒的な期待を集めていた馬ではありません。それでも着実に力をつけ、GI7勝を挙げるなど日本競馬史に名を刻む名馬へと成長しました。引退後は種牡馬としても成功し、数々のGI馬を輩出しています。今回は、キタサンブラックの現役時代の活躍から種牡馬としての功績まで、初心者向けにわかりやすく紹介します!
⏱ 読了時間:約10分
この記事でわかること
✅キタサンブラックとはどんな馬だったのか
✅現役時代の主な戦績
✅種牡馬としての功績(代表産駒5選)
それでは、菊花賞を制し、天皇賞(春)2勝をはじめGI7勝を達成するなど、日本競馬史に名を刻んだキタサンブラックについて、現役時代の活躍や種牡馬としての功績まで詳しく見ていきましょう。
キタサンブラックとはどんな馬だったのか
キタサンブラックの基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 馬名 | キタサンブラック |
| 生年月日 | 2012年3月10日 |
| 性別 | 牡馬 |
| 毛色 | 鹿毛 |
| 父 | ブラックタイド |
| 母 | シュガーハート |
| 母父 | サクラバクシンオー |
| 生産者 | ヤナガワ牧場 |
| 馬主 | 有限会社大野商事 |
| 調教師 | 清水久詞(栗東) |
| 主な騎乗騎手 | 北村宏司、武豊など |
| 通算成績 | 20戦12勝 |
| 獲得賞金 | 18億7684万3000円 |
| 主な勝ち鞍(GⅠ) | 菊花賞(2015) 天皇賞・春(2016、2017) ジャパンカップ(2016) 大阪杯(2017) 天皇賞・秋(2017) 有馬記念(2017) |
キタサンブラックは、名馬ディープインパクトの兄ブラックタイドを父に持つ競走馬です。父について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
💡ブラックタイドについて詳しくはこちら

💡ディープインパクトについて詳しくはこちら

馬名の由来
「キタサンブラック」という名前は、「キタサン」はオーナー・北島三郎氏の冠名、「ブラック」は父ブラックタイドの名前の一部に由来しています。
💡 冠名とは?
例えば「ロード」はロードホースクラブ、「メイショウ」は松本好雄氏、「サトノ」は里見治氏の馬によく使われる冠名です。
現役時代の主な戦績
デビューからクラシック戦線へ
キタサンブラックは、2015年1月にデビューすると、新馬戦と500万下(現1勝クラス)を連勝。続くスプリングステークス(GⅡ)では重賞初挑戦ながら見事に勝利し、一気にクラシック戦線の有力馬へと名乗りを上げました。
迎えた皐月賞(GI)では、後に二冠馬となるドゥラメンテには及ばなかったものの、3着と健闘。
日本ダービーでは14着に敗れましたが、陣営は菊花賞を最大目標に据えます。
菊花賞で距離不安説を一蹴するGI初制覇
日本ダービーで14着に敗れたキタサンブラックは、秋初戦のセントライト記念(GⅡ)を制して菊花賞へ挑みます。
しかし、母の父が短距離王サクラバクシンオーだったことから、3000mという長距離への適性を不安視する声も少なくありませんでした。
迎えた菊花賞では5番人気で、道中5番手付近で折り合いながらレースを進めると、最後の直線では馬群の内から力強く抜け出し、リアルスティールとの競り合いを制して見事に優勝。北村宏司騎手に導かれ、距離不安説を一蹴するGI初制覇を果たし、世代最後のクラシックタイトルを手にしました。
また、菊花賞制覇は、北島三郎氏にとって馬主生活50年以上で初めてのGIタイトルでした。
💡なぜ母父サクラバクシンオーが不安視されたのか?
これは「血統のイメージ」が大きな理由です。
サクラバクシンオーは日本競馬史上屈指の短距離馬で、スプリンターズステークスを連覇した名馬です。現役時代は1200mで圧倒的な強さを見せ、「スプリント王」と呼ばれました。
そのため、「母の父が1200mの名馬なら、3000mの菊花賞はさすがに長すぎるのでは?」
と考える競馬ファンや関係者が多かったのです。
🎥 2015年 菊花賞 レース映像(JRA公式)
天皇賞(春)制覇で名馬への階段を駆け上がる
菊花賞馬となったキタサンブラックは、その後有馬記念3着、4歳初戦の産経大阪杯(GⅡ)で2着となった後、天皇賞(春)でGI2勝目を挙げます。持ち前の先行力を生かした堂々たる競馬で長距離王の座に立ち、名馬への階段を駆け上がります。
続く宝塚記念では3着。勝利こそ逃したものの、春のグランプリでも上位争いを演じ、安定した実力を示しました
🎥 2016年 天皇賞(春) レース映像(JRA公式)
京都大賞典で初めての1番人気、ジャパンカップ制覇
宝塚記念後の秋初戦・京都大賞典(GⅡ)では、デビュー12戦目にして初めて1番人気に支持されます。それまでGIを2勝していたにもかかわらず、一度も1番人気になったことはありませんでした。
その期待に応えて京都大賞典を制すると、続くジャパンカップ(GI)では、最内枠から好スタートを決めて逃げると、直線でも力強く脚を伸ばし、2着サウンズオブアースに2馬身半差をつけて快勝。GI3勝目を挙げ、この年のJRA賞年度代表馬と最優秀4歳以上牡馬に選出されました。
🎥 2016年 ジャパンカップ レース映像(JRA公式)
大阪杯初代王者と天皇賞(春)連覇
ジャパンカップ制覇後に挑んだ有馬記念では、サトノダイヤモンドとの激しい叩き合いの末に2着。惜しくも連勝はなりませんでしたが、その走りで改めてトップホースとしての実力を示しました。
翌2017年には、GIへ昇格した大阪杯を制し、記念すべき初代王者に輝きます。
🎥 2017年 大阪杯 レース映像(JRA公式)
続く天皇賞(春)では、サトノダイヤモンドとの「2強対決」が大きな注目を集めました。
レースでは先行策から抜け出すと、最後まで脚色は衰えず、2着シュヴァルグランに1と1/4馬身差をつけて快勝。勝ち時計3分12秒5のレコードタイムで、ディープインパクトが2006年に記録した天皇賞(春)のレコードを0.9秒更新し、天皇賞(春)2連覇を達成しました。
長距離王としての地位を確固たるものにするとともに、日本競馬史に残る名レースの一つとなりました。
🎥 2017年 天皇賞(春) レース映像(JRA公式)
天皇賞(秋)制覇とラストラン有馬記念で有終の美
大阪杯、天皇賞(春)を制したキタサンブラックでしたが、続く宝塚記念では9着とまさかの敗戦を喫します。
しかし、秋初戦の天皇賞(秋)では、台風の影響による不良馬場のなか、スタートで出遅れながらも武豊騎手が最内を突く好騎乗を見せて直線ではサトノクラウンとの激しい争いをクビ差で制し、「豊マジック」とも称される騎乗でGI6勝目を達成。
天皇賞(春)と秋を同一年に制するとともに、天皇賞通算3勝という快挙も成し遂げました。
🎥 2017年 天皇賞(秋) レース映像(JRA公式)
続くジャパンカップでは3着に敗れましたが、ラストランとなった有馬記念では得意の逃げに持ち込み、後続を寄せ付けずに優勝。GI7勝目を挙げ、競走生活の最後を勝利で締めくくりました。
🎥 2017年 有馬記念 レース映像(JRA公式)
有終の美を飾り、種牡馬として新たなスタートへ
ラストランとなった2017年の有馬記念を見事に制したキタサンブラックは、そのレースを最後に現役を引退しました。
通算20戦12勝、GI7勝、獲得賞金18億7,684万3,000円という輝かしい成績を残し、長く第一線で活躍した名馬として多くの競馬ファンに愛されました。
種牡馬としての功績(代表産駒5選)
引退後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り。
当初は決して高い期待を集めていたわけではありませんが、イクイノックスをはじめ数々のGI馬を送り出し、日本を代表する名種牡馬へと成長。競走馬としてだけでなく、種牡馬としても日本競馬に大きな足跡を残しています。
① イクイノックス
世界ランキング1位に輝いた世界最強馬
イクイノックスは、キタサンブラックの初年度産駒としてデビューすると、2022年の天皇賞(秋)でGI初制覇を達成。その後も有馬記念、ドバイシーマクラシック、宝塚記念、天皇賞(秋)、ジャパンカップを制し、GI6勝を挙げました。
世界ランキングでは日本調教馬として初めて単独1位に輝き、その圧倒的なパフォーマンスから「史上最強馬と評される一頭」として高く評価されています。
キタサンブラック産駒を代表する名馬として、父の名をさらに高める存在となりました。
🎥 2022年 天皇賞(秋) レース映像(JRA公式)
②クロワデュノール
日本ダービー、大阪杯、天皇賞(春)を制した現役トップホース
クロワデュノールは、デビューから無敗でホープフルステークスを制し、2歳王者に輝きました。その後、2025年の日本ダービーを制覇すると、4歳となった2026年には大阪杯、天皇賞(春)を連勝。GI4勝を挙げ、現役を代表する一頭として活躍しています。
父キタサンブラックは日本ダービーで14着と悔しい結果に終わりましたが、クロワデュノールはその舞台で見事に頂点へ。
さらに大阪杯、天皇賞(春)も制し、父が築いた偉大な実績を受け継ぎながら、新たな歴史を刻み続けています。キタサンブラック産駒を代表する名馬として、父の名をさらに高める存在となっています。
🎥 2025年 日本ダービー レース映像(JRA公式)
③ソールオリエンス
大外一気で皐月賞を制したクラシックホース
ソールオリエンスは、デビューから3連勝で2023年の皐月賞を制し、無敗でクラシックホースとなりました。皐月賞では重馬場をものともせず、最後の直線で大外から豪快に差し切る圧巻の走りを披露し、高い能力を証明しました。
その後もクラシック戦線や古馬GIで上位争いを続けるなど活躍を見せています。キタサンブラック産駒を代表する名馬として、父の名をさらに高める存在となっています。
🎥 2023年 皐月賞 レース映像(JRA公式)
④ウィルソンテソーロ
ダートGI戦線で活躍する実力馬
ウィルソンテソーロは、地方競馬との交流GIを中心に活躍し、2024年のJBCクラシックを制覇。さらにチャンピオンズカップや東京大賞典、フェブラリーステークスでも上位争いを演じるなど、日本ダート界を代表する一頭へと成長しました。
父とは異なるダート路線で高い実力を示したウィルソンテソーロは、キタサンブラック産駒を代表する名馬として、父の名をさらに高める存在となっています。
🎥 2024年 JBCクラシック レース映像(NAR公式)
⑤エコロデュエル
障害GI3勝を挙げた最強ジャンパー
エコロデュエルは、障害競走へ転向後に才能を開花させ、2025年の中山グランドジャンプ、中山大障害、2026年の中山グランドジャンプを制覇。障害GI3勝を挙げ、日本障害界を代表する一頭へと成長しました。
その圧倒的な障害競走での強さから、「最強ジャンパー」と評される存在となったエコロデュエルは、キタサンブラック産駒を代表する名馬として、父の名をさらに高める存在となっています。
🎥 2026年 中山グランドジャンプ レース映像(JRA公式)
まとめ
キタサンブラックは、2015年の菊花賞をはじめ、天皇賞(春)2連覇や有馬記念などGI7勝を挙げた、日本競馬史を代表する名馬です。母の父が短距離王サクラバクシンオーだったことから長距離適性を不安視されることもありましたが、そのイメージを覆す活躍で、多くの競馬ファンを魅了しました。
また、デビュー当初から圧倒的な期待を集めていたわけではなく、GI2勝を挙げるまで一度も1番人気になったことがなかったことも、キタサンブラックらしいエピソードです。それでも着実に実績を積み重ね、誰もが認める名馬へと成長しました。
引退後は種牡馬としても成功を収め、イクイノックス、クロワデュノール、ソールオリエンス、ウィルソンテソーロ、エコロデュエルなど、芝・ダート・障害と幅広い舞台で活躍する名馬を送り出しています。
これからもキタサンブラックの血を受け継ぐ競走馬たちの活躍に注目していきましょう。

「ケイくん」
キタサンブラックって、最初からスターだったわけじゃないのに、日本競馬を代表する名馬になったんだね!

そうなんです! デビュー当初は圧倒的な人気を集める存在ではありませんでしたが、一歩ずつ実績を積み重ね、血統へのイメージさえ覆してGI7勝を達成しました。そして今では種牡馬としても数々の名馬を送り出し、現役時代・種牡馬時代の両方で日本競馬史に大きな足跡を残しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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